平成25年度 第2回講習会報告

運動連鎖と膝関節

~評価と治療につながる動作分析とすぐに使える簡易足底板治療~

 

日時:平成2622()

 

講師:川原 勲先生(阪奈中央病院 リハビリテーション科 科長)

 

 

 平成25年度第2回講習会では川原先生に運動連鎖の講義と膝・足関節の評価や簡易足底板を治療の実技をしていただきました。 

 

 午前中の講義では、まず運動連鎖で重要となる部位の足部評価を行いました。足部には機能的安定性と機能的運動性の2つの主要な機能があり、荷重位・非荷重位・静止時・動作時のそれぞれを評価し、治療計画を立てる事が重要であると説明がありました。また、1つの指標として靴底の偏りを考慮し、患者の足部がどのような機能が失われているのかを評価する事が大切かと教えていただきました。

 

 午後からの実技では、距腿関節、距骨下関節や前足部の関節11つの可動性を確認し、全額面では下腿後面に線を引き、下腿と踵骨のアライメント評価を立位にて測定し、足底板を挿入しての立位時、歩行時のアライメントを観察、分析しました。矢状面では、フェイスラインと呼ばれる、後脛骨筋腱と第一中足骨頭を結ぶ線上に舟状骨粗面が位置しているかを確認する方法で分析しました。

 

そして、実際の臨床での内側OA患者に対しての外側ウェッジと内側縦アーチの足底板を挿入した事による効果についても発表していただきました。

 

グループワークでは、約5人ずつのグループに分かれ、その中で最も正常から逸脱した歩行の人を選び、問題点を考え、問題点に対してどの足底板をどの位置に挿入するかを話し合いました。講義を振り返りながら実際に評価し、足底板を挿入してみても予想した歩行にならなかったりしたグループもあったかと思います。しかし、グループそれぞれの観点があり、自分達ならこう考える、自分達には無い発想だったなど他者の意見も聞くことができ、それぞれが考えさせられる有意義な時間になったと思っています。

 

足底板挿入前後で即座に歩容が変化する事を身をもって体感でき、その効果を認識する事ができました。学んだ事をそのまま患者へ当てはめる事は難しいかもしれませんが、今回参加していただいた先生方の臨床での考察に加えていただければ、さらに患者への還元になるのではと思いました。

 

今回の研修会で、ご教授いただいた川原先生、本当にありがとうございました。